神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

戦時下のトンデモ・ダ・ヴィンチ展


昨年の5月20日に紹介した戦時下のダ・ヴィンチ展。
高松宮は感想を記録してくれなかったが、天羽英二が日記に書いてくれていた。

昭和17年7月11日 午後2時乃至4時 和子ト共ニ上野産業館「レオナルドダヴインチ」展覧会 日本世界復興会 情報局 陸海軍主催。「ダヴインチ」ノ偉大ナル天才驚ク可シ 日本文化トノ関係、稍コジツケ


「コジツケ」とあるから、やはりトンデモない内容だったのかしら。
この頃、ダ・ヴィンチブームでもあったのか、谷崎精二谷崎潤一郎の弟)が『レオナルド・ダ・ヴインチ』(南方書院、昭和17年12月)を刊行している。精二がスメラ学塾とは関係があったとは思えないけれど、だんだんトンデモネタと谷崎ネタが接近してきたね。


(参考)斎藤茂吉も同展を観覧していた。

昭和17年5月10日 ○ダヴインチ展ヲミントシテ出掛ケタガ、駄目デアツタ。


    10月31日 ○午後、田中隆尚ト共ニダ・ヴインチ展ヲ見ニ行ツタ。ソレカラ動物園ニ入リ世界デ牛肉(中略)神保町ニテ古本買ヒ、帰宅、田中オクリ来ル。


5月10日の方は、上野での会期(7月10日〜)より大分前なので、別の展覧会か。


追記:『新潮』は既に7月号が出ているけれど、6月号の斎藤環「関係の化学としての文学(九)」は「「谷崎潤一郎」へのショートカット」であった。「これからしばらくの間、「谷崎潤一郎」について集中的に検討することを考えている」とある。次回は8月号掲載予定。猫猫先生に噛み付かれても、僕知〜らない。