神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

成田図書館嘱託木村荘太

成田図書館八十年誌』によると、

木村荘太 (昭和一五・九−昭和二一・六*1) 明治二二年二月三日東京市芝区三田四国町に生れる。(略)
今沢館長の招請により昭和一二年一二月より同一三年二月まで「成田山史」編纂委員に加わり、同一五年より当館に勤務し専ら、未整理であった洋書を綿貫司書と共に整理に当った。晩年の翻訳書に「英国衰亡史」がある。

また、『図書館雑誌』35年4号(昭和16年4月)の「彙報」欄に、通常会員入会者として木村の名がある。「木村荘太 成田図書館嘱託 住所・千葉県印旛郡遠山村久米二九一 紹介者:成田善亮」。木村は、日本図書館協会にも加盟していたのだ。昭和25年4月、木村は成田山公園で首吊り自殺をした。

(参考)昭和25年4月17日『読売新聞』夕刊には「遺書七通あり成田署長にあて「お騒がせして申訳ない、女房のヒステリーにどうにもならないので死ぬ、死体は家庭へ運ばずに焼捨ててもらいたい」とあった」とある。

                                      • -

乾くるみ『蒼林堂古書店へようこそ』(徳間文庫)。喫茶コーナーもあるミステリー専門の古書店蒼林堂の店主が主人公らしい。古書店主や書店員が主役の小説が増えてききたような気がする。
蒼林堂古書店へようこそ (徳間文庫)

*1:北荻三郎『いろはの人びと』には、「荘太は、死ぬ半年ほど前に図書館勤務を辞し、自宅で執筆に専念していた」とあり、退職時期が異なっている。