神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

秋田雨雀とエラ・ケート


平井一弘論文は、明治45年5月に有楽座で開催された後期文藝協会第三回公演「故郷」のマグダ役(松井須磨子)ら女優及び女方の振付を「ケート夫人」が行っていて、秋田雨雀が同公演を批評していることから、エラ・ケートは同年の頃には、秋田を知っていたのではないかと推測している。合理的な推測であるが、当事者である秋田がどう言っているかを見てみよう。秋田は、「真理と愛との宗教 アグネス・アレキサンダア女史に就いて」(『女の世界』2巻13号、大正5年12月)で、「藝術座以来知り合ひのミセス・ケート」と書いている。藝術座は後期文藝協会解散後の大正2年9月島村抱月や松井らによって創立されたものであるので、秋田とケートの出会いは平井の推定より時期は下ると思われる。


(参考)4月5日

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昭和3年
2月  <阿部君に>→3月<阿部君へ>
5月 <処女作を出した頃>→春山作楽<〜>
6月 <人物月旦>→<昭和人物月旦>
11月 「秋宵座談会」 文藝春秋
12月 <額は満点>→5年1月


大森望『狂乱西葛西日記 20世記remix』(本の雑誌社)が出てた。
狂乱西葛西日記20世紀remix