神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

宮本常一の日記から見る戦後図書館事情

宮本常一の日記*1に出てくる戦後の図書館を見てみる。

昭和21年4月15日 それより西宮に行き田岡氏とはなす。田岡氏図書館長となる。


「田岡氏」は田岡香逸、「図書館」は西宮市立図書館と思われる。

昭和22年4月21日 バスで鳥取へ出て更に若桜行のバスにのり八東に行く。(略)坂尾正巳氏をとう。(略)坂尾氏は乃木、東郷の信者で、図書館など経営している。考はいいのだが視野は必ずしも広くないようである。(略)坂尾氏は山林経営家、出来ることなら更に高い理想を以て進んでいたゞきたいものである。


    4月22日 朝、図書館を見る。下は山林組合になっている。(略)併し二階の書棚はあまりにも雑然としている。もっと整理出来ないものか。


「図書館」は不詳。戦後まもない頃の地方の私立図書館は、誰ぞでも調査は難しいかしら。


昭和23年2月7日 鳳−西宮。(略)清文堂へ寄って中江君にあい、郷里の図書館へ送る本を18冊注文。


    4月5日 夜、今井君来る。図書館用としてエロチックな本を買った事についての疑問を持って来たので、それについて説明しておく。杉山君も一緒に来る。清木医師が中々のシタタカモノであることをきかされる。


「郷里」とは、宮本の故郷山口県周防大島。「図書館」は学校図書館あたりだろうか*2

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大杉豊『日録・大杉栄伝』(社会評論社)が出てた。黒岩さんの堺利彦伝は年末あたりかしら。
日録・大杉栄伝

*1:宮本常一 写真・日記集成』別巻、毎日新聞社、2005年3月。

*2:むしろ、久賀町立久賀図書館か。