神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

報知新聞社員にして時代小説家だった片岡貢


片岡貢の経歴が判明した。『大衆文学大系29』(講談社、昭和48年9月)所収の時代小説「小栗主従」(初出は『新青年昭和16年10月号)の著者片岡貢の略歴として、

片岡貢 明治三十六年(一九〇三)十二月一日、静岡市に生まれた。早稲田実業卒。昭和初年に報知新聞学芸部入社。昭和十年、貴司山治木村毅らと実録文学研究会(機関誌「実録文学」)をおこして小説を書きはじめ、同十四年には海音寺潮五郎らと共に、同人誌「文学建設」を発刊した。戦争末期、新聞統合令発令にさいし退社。昭和三十五年(一九六〇)八月十七日歿。


日本近代文学大事典には名前が出てこない片岡だが、貴司や木村、海音寺らと親しかったのだね。片岡は上記のほか、『新青年』には時代小説を中心に数回執筆している。小島威彦は「外務省調査嘱託の片岡」(2006年11月4日参照)と書いているが、同一人物であるかは確認できていない。


(参考)『実録文学』については、河野至恩「雑誌「実録文学」紹介--芸術大衆化論争から鴎外歴史小説受容へ 」『日本近代文学館年誌』3号がある。

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岩波新書から8月20日清水勲四コマ漫画北斎から「萌え」まで−』刊行予定。併せて、同氏の『漫画の歴史』も復刊する。なお、関連企画展を京都国際マンガミュージアムで8月22日から開催。



ジュンク堂の『書標』7月号は「コミック迷走案内」特集。



「文春新書」・・・失礼しました。


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官僚たちの夏」。タバコを実にうまそうに吸う古き良き時代なり。