神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

片上伸先生の被害者牛島高次


『波』で美術史家の青木茂氏が丹尾安典*1『男色の景色−いはねばこそあれ−』(新潮社)の紹介をしていた。大杉栄と中村彝の兄、会津八一と世良延雄、片上伸と井伏鱒二と青木南八、三島由紀夫と堂本正樹・森田必勝、中原淳一高英男などの関係が書かれているらしい。片上については、2006年12月25日2007年2月25日に言及したところだが、片上の被害者である牛島某のフルネームは不明であった。ところが、丹尾の書を見ると、相馬正一井伏鱒二と片上伸−早稲田休学・中退の真相−」(『上越教育大学国語研究』8号、平成6年2月)に露文科一年生牛島高次と書かれているらしい。典拠は、大正13年10月12日付け「片上伸氏事件顛末公開状」というビラらしい。


いやはや何事にも先行研究があるもので気を付けねばいかんが、『上越教育大学国語研究』なんて雑誌知らんぞなもし。

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猫猫本が今月も出るらしい。『美人作家は二度死ぬ』(論創社)→「http://www.ronso.co.jp/kankouyotei/kankouyotei.html」。同社からは小田光雄『古本探究』も刊行。

*1:青木氏によると、「著者丹尾さんは酒騒道人といい、宴会学教授とも言われるが、私たち(書痴同人)は毎週一回神田神保町の古書街で会合している」とのこと。