神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 図書切符と書籍切手


古書の森日記」に出てきた博文館発行の雑誌と書籍のみ引き替えられるチケットとしての「図書切符」。似たような「書籍切手」について、森銑三が『明治東京逸聞史』に書いていた。

書籍切手(同上[開花新聞]十七・三・二十五)
同紙に、兎屋で書籍切手を拵へたことを報じてゐる。
「広告の親玉銀座の岩谷につゞいて、開花の商人南鍋町の兎屋にては、今度書籍切手を発行し、十銭以上百円まで、数種に分かち、望みの書物及び法帖と引換へらるゝ由、進物などには至極重宝なり」
商品切手の歴史は知らないが、にんべんなどでは、旧幕時代から、もうしてゐたやうに思ふ。


明治17年には「書籍切手」が存在していたらしい。「にんべん」とは、どういう意味だろう。

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ちくま新書から9月10日発売予定の島薗進『宗教学の名著30』。『ちくま』9月号によると、「哲学、歴史学、文学、社会学、心理学など多領域から宗教理解、理論の諸成果を取り上げ、現代における宗教的なものの意味を問う」ものらしい。30冊のうち、ひとつぐらい持っている本はあるだろうか。


平岡敏夫国木田独歩百年忌に」『図書』9月号に、「黒岩比佐子氏が注目した編集者独歩、妻治子が描いた『破産』(明治四十一)の独歩は、アンビションに生き、アンビションに斃れたとも言えようが、そのアンビションがまたその反面の世界の、独歩文学の哀切な魅力を生み出したのである」とあった。