神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

渋川驍が東大図書館を辞めた理由


渋川驍(本名・山崎武雄)は、昭和5年4月から東大附属図書館に勤務しているが、戦後間もなく辞めたようだ。
高見順の日記によると、

昭和20年10月4日 渋川君来る。林房雄氏の家へおくやみに行った帰りだという。渋川君はこんど帝大図書館をやめてひとりで商売をはじめるという。図書館は私達から見るとのんきなようだが、実際は大変に疲れて小説も書けないので、もうやめるだという。
「何年になります。十年・・・」
「いや、もう十五年。大学を出るとすぐ勤めたのですから・・・」
「十五年。ふーん」
渋川君と私は大学は同期である。


今でも暇そうに見えるが、実際はそれなりに忙しいのだろうね。某図書館司書を辞めた誰ぞも、辞めて小説を書いてたりして。



(参考)「思いがけない決意」『書庫のキャレル』に「私は、終戦の翌年二月から東大図書館をやめて、文筆生活に入っていた」とある。

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草森紳一の絶筆が掲載されているという『表現 Human Contact 2』。


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タイトルにドキッとするトクマ・ノベルズの西村京太郎『十津川警部 アキバ戦争』。