神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 紅野敏郎先生の図書館員知らず


漱石全集』の書簡篇の「人名に関する注および索引」(注:紅野敏郎)を見る。
第23巻(1996年9月)には、「今沢慈海」の注として、「不詳.明治44年当時、日比谷図書館に勤めていたと思われる」とある。明治44年10月7日付け「麹町区日比谷図書館 今沢慈海」宛書簡だから、同図書館に勤めていたと思われるというのは、何も調べなくても書けるだろう。今沢は、明治40年3月東京帝国大学哲学倫理学科卒、4月から日比谷図書館の開設準備委員として採用され、大正3年12月には同図書館館長*1


第24巻(1997年2月)では、「今井貴[ママ]一」の注として、「不詳.大正3年当時大阪府立図書館勤務」とある。大正3年2月14日付け「大阪市北区中之島公園府立図書館 今井貫一」宛書簡だから、これも何も調べてなさそう。「勤務」には違いないが、今井は館長だと思うけど。


こういうのは、何を見て調べればよかったのかすら。

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三省堂神保町本店の1階ハヤカワ・ポケット・ミステリのコーナーを見て「キター」っていうか、わしの昔の本棚かと思ってしまった(汗
早川の銀背シリーズ、日本SFシリーズ、『ユリイカ』のラヴクラフト特集、オカルティズム特集とか、筒井康隆の単行本とか。とっくに処分したものが多いが、まさかわすの旧蔵書だったりして・・・
人の値付けにあれこれ言ってはいかんが、『オカルト時代』が一冊2000円にはビックリ。わしはただでもいらないけど。同誌に資料的に価値のある記事が載っているとは思えないが、マニアには受けるのだろうか。二冊あって、一冊は中山みき研究が載っていたみたい。

*1:『東京の近代図書館史』1998年10月