神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 戦前の神代文字論者


平井昌夫「神代文字論争史(三)」(『書物展望』昭和19年3・4月合併号)*1に、戦前の神代文字肯定論者の名前が挙がっている。

昭和になつてからの存在説をとる文献で眼についたのをいくつか列挙すると次の通りである。
 高畠康明『神字起源解』(昭和八年五月刊)
 高窪喜八郎『天皇を中心として憲法を論ず』(昭和十年刊)
 神代文化研究会編『ウエツフミ』(昭和十年七月刊)
 酒井勝軍『神字考』(昭和十一年刊)
 宮崎小八郎『神代の文字』(昭和十七年七月刊)
この宮崎氏の著書は最近にあらはれた存在文献として特に注意すべきものである。昭和になつて神代文字を熱心に主張した人々を挙げると、神代文化研究所を中心とする高窪喜八郎、東戸策、田多井四郎治(『日本神代文字論』の著あり)、河村圭三、安藤一馬、その他には三浦一郎藤澤親雄などの諸氏がある。


河村圭三は、従来、神代文字関係者としてはまったく知られていない人物と思われる。陸軍の少将である。
この河村の名前は、真崎甚三郎の日記にも登場している。

昭和10年12月6日 十時頃突然河村圭三、東戸策来訪シ神慿リ談ニ時ヲ奪ハレ頗ル迷惑セリ。


河村の神代文字に関する著作があれば、ウルトラトンデモ本かも。


(参考)東は、神霊科学研究所長、工学士。NDL−OPACによると、『戦争と平和の神霊的考察 : 神霊科学研究所に就て』(神霊科学研究所、昭和17年2月)などの著作あり。

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岡田斗司夫『オタクはすでに死んでいる』(新潮新書)を立ち読み。SFも死んだらしい。

*1:『國語國字問題の歴史』所収