坪内逍遥の日記に面白い記述があった。
「北海道の神代文字」とは、おそらく手宮洞窟で発見された「古代文字」のことだろう。お菓子になるほど、名所になっていたらしい。前年の大正7年には中目覚により、古代トルコ語系東ツングース語説による解読がなされている。最近では、吉村達也が『小樽「古代文字」の殺人』(カッパ・ノベルス、1994年10月)で舞台に使っている。同書の参考文献に、名取武光・松下亘『手宮洞窟岩壁彫刻の研究史』(小樽市博物館)が挙がっていて、同博物館に聞いたら、品切れだがコピーを送りますと言ってくれた親切な学芸員がいたことを思い出す。
(参考)手宮洞窟保存館。わすも一度行きました。