神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 福来友吉夫人辰撃たれる!


福来友吉の夫人で、旧姓町田辰は、相馬黒光の『黙移』に出てくる(一昨年3月2日参照)。
結婚後の詳細は不明だが、新聞記事に登場したことがある。


昭和4年2月21日の東京朝日新聞は、「開演中の宝塚劇場へ/物すごい殺人鬼出現/突如花道でピストルを撃ち/三名を殺傷して自殺」、「撃たれた通行の婦人は/福来博士夫人と判明/知人を訪問して帰途の奇禍」の見出しが踊る。
記事によると、

最初に射撃された婦人は心霊研究で有名な福来友吉博士夫人たつ子(四[?]〇)で直に三澤病院にかつぎ込み応急手当を施した上川口医師の来診を得て居るが撃たれた個所は左乳の上部で弾丸は急所をよけて貫通したらしく意識はすこぶる明瞭でひたすら博士の来着を待受けて居るそれを看護して居るじつこんの人々は姓名の発表すら避けてひそかに阪急沿線櫻井の博士自邸とその出先に急報し憂ひの眉をひそめて居るが夫人が割にしつかりして居るので生命には別状ないと見て居る、(略)


幸い命に別状はなかったみたいだが、事件に巻き込まれたことで、夫人に関する情報が得られた。

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確かに「アルコール中毒」なら伏字にする理由が納得いくのだが、『先生とわたし』によると、アル中になるのはもう少し後(1980年前後)みたいなので、どうだろう。