黒岩さんの『編集者 国木田独歩の時代』（角川選書）刊行記念として独歩関係のネタを。
明治41年7月30日 読売新聞掲載の文豪国木田独歩逝去（原注・・・一九〇九[ママ]年六月二十三日）の記事を見る。痛ましきかな独歩の死。吾は独歩の文を愛したりき。独歩集運命等の美しき彼が等は幾度か繰り返したるよ。嗚呼、独歩今や逝し。天真院日哲居士の死。
8月4日 床の上に腹ばいになって読売の三面記事及び真山青果の独歩氏の近況を報ずる書を読む。
10月25日 僕は趣味九月号を借りて故国、国木田独歩の作短編数編及び樗牛全集三巻平家雑感を拾い読みして十一時寝につく。
43年8月1日 寝ようかと思ったが今着いた新澤君からの贈物の独歩集第二を読まずにはドウしても眠れなかった。
日記*1を書いた本間儀兵衛は明治21年11月生まれ。39年4月早稲田大学商科入学、40年1月同校を中退して、米国に渡航。農夫や鉄道工夫として働く。45年6月帰国。戦後は石巻市議会議長。昭和34年没。
異国の地で働く文学青年にとって、独歩の作品は心の支えであったことだろう。
