豊島与志雄「交遊断片」*1に森茉莉いうところの「悪い仲間」が書かれている。
或るレストーランの二階、辰野隆君と山田珠樹君と鈴木信太郎君と私と、四人で昼食をしていた。この三人は立派なプロフェッサーで、私はその中に交ると、一寸変な気がするのである。
「僕は教師が片手間なんだから、少々うしろめたい気がするね。」と私は、教師というものの本質論が出た時に云った。(略)
「片手間で丁度いい、それ以上になったら大変だ。」と山田が、立派な髯をひねりながら−というのは比喩で実際にひねりはしないが−云ってくれた。
茉莉は、山田や辰野の悪口を何度も書いているが、この四人が「悪い仲間」の枢軸だろう。
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『編集者 国木田独歩の時代』(角川選書)
黒岩比佐子×坪内祐三
なんてのをジュンク堂書店さん、やってくれないかしら。
坪内は『「近代日本文学」の誕生』(PHP新書)で「明治33年10月 無名作家国木田独歩の描いた東京の「郊外」」、「明治39年8月 国木田独歩が独歩社を設立する」と2回も独歩を登場させているので選んだ。坪内もいいのだが、日経新聞で書評を書いた佐藤卓己とのセッションも面白そう。正夢にならないかしら・・・