神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

鹿野政直と書肆アクセス


鹿野政直は「地域文化の表情」(『アクセス』昭和53年8月1日号)で次のように書いている。

だからセンター*1は、ぼくにとっては地域文化の窓である。(略)入ると、日本を北から南へ地域別の書棚、未解放部落問題の書棚、ミニコミ雑誌の書棚とならんでいる。ああ、ここにはおしこめられた文化が、その枠をやぶってでようでようと息づいているな、と思う。(略)
センターの本をいくばくかもとめてぼくは旅にでる。そのとき、センターはほんの小さな窓であって、地域地域の文化活動(ここでは出版活動にかぎるが)の実態は、はるかにひろくふかく根をはったものであることを発見する。これらの総体、とはいわずとも何割かが、センターにあつめられるようになれないものかどうか。世の、文化を口にする人間は、なんらかのかたちで、センターをそのようにおしあげる責務をわかちあっているというべきではあるまいか。


「地域文化の窓」を失うこととなる鹿野先生、さぞお嘆きのことであろう。

*1:昭和55年7月に書肆アクセスに名称変更