諸岡存が古在由重の「戦中日記」*1に出てきた。
(昭和十九年)
七月二十二日(土)
(略)
午後から諸岡存氏(医学博士)が茶についての話をしにきた。あまり品のない老人だ。
この頃、古在は四王天延孝の大日本回教協会に勤めていたので、諸岡はそこに来たのだろうか。
(昭和十九年)
三月三日(金)
(略)回教協会会長、四王天延孝中将からの辞令をもらう。まだなにもすることがなく、図書室から書物をひきだして、よむ。(略)
諸岡については、「諸岡存と高村智恵子」などを参照されたい。夢野久作とも親しかった人物である(「諸岡存と夢野久作(その2)」参照)。書物蔵氏によると、昭和22年頃亡くなったらしい。昭和20年5月25日の空襲で家や蔵書を失ったショックが一因ということのようだが、「大直会主幹者皇国運動同盟理事」を理由として公職追放になったことも大きいのだろう。
ところで、この反ユダヤ主義団体「大直会」*2については相変わらず論文がないようだ。誰か挑戦してみてくれ。
*1:『古在由重著作集』6巻(頸草書房、昭和42年7月)