神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

中央公論社社史で谷崎潤一郎を読む


劇作家秋田雨雀の日記*1中昭和30年11月4日の条には、


今日午後五時から歌舞伎座中央公論七十年記念の招待会があった。緒方、正宗、谷崎(潤)、山川菊栄、佐々木茂索なぞのあいさつがあった。


とある。念のため、『中央公論社の八十年』(中央公論社、昭和40年10月)の巻末年表を見ると、確かに「中央公論社創業七〇周年記念式典」で、緒方竹虎正宗白鳥谷崎潤一郎らが祝辞を述べた*2ことが記されている。
中央公論社(現在は中央公論新社)は明治19年創業で、同年誕生の谷崎とともに育っていったわけだね。
ついでに、年表中、日まで記載されている谷崎関係の記載を拾うと、


昭和13年9月9、10、11、17日
  14年1月24日、2月23日
  16年11月9日
  17年11月11日
  20年11月1、5日
  22年11月3日
  23年12月8日
  24年1月20日
  27年9月6日、10月2日
  30年11月4、5日
  32年1月14日、12月10日
  33年1月28日、2月5日、4月24日、6月10日
  34年1月13日、7月31日、10月17日
  38年6月4日
  39年1月24日


小谷野敦氏作成の詳細年譜と全部突合したわけではないが、記載のない事項もいくつかあるようだ。
谷崎とともに歩んだ中央公論社の年表は、年譜の好きな小谷野氏が冬休み(そんなものはないか・・・)に「コタツ猫」(「うる星やつら」)となって、ゆっくり読むのにちょうどいいかもしれない。


追記:書物奉行さん、返事は不要だけど、伝書鳩の2羽目をまだ読んでいなければ見といてね。

*1:秋田雨雀日記』第5巻、未來社、1967年11月

*2:正確に言えば、「述べた」とは書かれていないが、「祝辞・緒方竹虎正宗白鳥谷崎潤一郎山川菊栄、佐々木茂索。」とある。