神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『日本人形史』の山田徳兵衛から中山香橘宛年賀状(昭和12年)ーー百鈴会の川崎巨泉と中山香橘ーー

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 ツイン21古本フェアが無くなった。数年前、弁天町ORC200の古本まつりも無くなっている。後者で平成28年寸葉さんから入手した中山香橘宛山田徳兵衛昭和12年年賀状をアップしておこう。山田徳兵衛(吉徳第10代当主)については、Wikipediaに立項されているので、それを見られたい。『日本人形史』(講談社学術文庫)の著者である。
 2人とも川崎巨泉と交流があったようで、『和のおもちゃ絵・川崎巨泉:明治の浮世絵師とナニワ趣味人の世界』(社会評論社、平成22年5月)に出てくる。昭和54年9月に第1回巨泉忌*1が開催されているが、「川崎巨泉翁供養会」の役員等は、

会長 小谷方明*2
副会長 朏健之助
〃   岸茂丸
事務局 奥村寛純
賛助会員 徳間書店 広瀬辰五郎 村田書店
顧問 大安寺 吉田敬
名誉会員 太田小宝 徳力富五郎 中山香橘 山田徳兵衛

 香橘と巨泉の関係については、同書の年譜によると、2人とも百鈴会の同人であった。

昭和10年
1月3日 百鈴会展観、松平家蔵版の「集古十種」所載の土鈴を縮模して頒布。同人・梅谷紫翠、太田小宝、村松百兎庵、河本紫香、中山香橘、巨泉、於四天王寺公園内小宝。(『浪花おもちゃ風土記』)

 百鈴会は、巨泉が主宰していたようだ。家蔵の浅田耕一郎(満洲国牡丹江)宛第3回百鈴会(昭和12年1月)の案内葉書は、発信者が「川崎人魚洞内百鈴会」である。
参考:「昭和14年京都のみやび会に結集した10人のコレクター群像 - 神保町系オタオタ日記
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