神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

藤澤太郎先生が主宰する桜美林文学会『言葉の繭』3号に街の草の加納成治氏

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 久しぶりに善行堂へ。大量の買い取り本で店内が満員御礼。私も回答した『文献継承』37号を置いてもらいました。文芸誌『言葉の繭』3号(桜美林文学会+桜美林大学現代・世界文学研究会、令和3年1月)をいただく。目次を挙げておく。
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 二大特集は、「文学のある場所」と「本屋さんと図書館のはなし」。尼崎の古書店街の草」の加納成治氏が「〈聖樹薬局〉の周辺」を執筆。林喜芳『神戸文芸雑兵物語』に出てくる『聖樹』の発行所である吉澤独陽の聖樹薬局を芦屋で見つけた話。
 臼田正矢「馬込文士村と臼田甚五郎」も凄い。国文学者・民俗学者臼田甚五郎(國學院大學名誉教授)が馬込文士村の文士とされることについて、息子で桜美林大学名誉教授の正矢氏が考察したもの。恩師折口信夫は勿論、第2詩集『暁と夕の詩』を贈ってくれた立原道造など読み応えがあった。
 それと目次を見せてもらって、「アッ!」と叫んでしまったのは、「浪江虔・浪江八重子の農村図書館」。私が「南多摩農村図書館旧蔵の植村長三郎『書誌学辞典』 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した浪江の農村図書館である。主な執筆者は桜美林大学の教員及びリベラルアーツ学群の学生で、外部の人にも寄稿をお願いしているようだ。バックナンバーについては、「『言葉の繭』内容紹介」参照。2号の特集「どんど書房と『えすとりあ』」とか気になりますね。善行堂の常連の人は、善行さんに頼めば取り寄せてもらえるかもです。
 ところで、桜美林文学会を主宰される藤澤太郎先生は、今回の『文献継承』の回答者でもある。戦前の山形県詩史を構想中とのことで、こちらも面白そうだ。