神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

草木染の命名者山崎斌が創刊した雑誌群ーー『青年改造』『旅行と文芸』『芸術解放』『文学』『橙』『月明』などーー

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群馬県土屋文明記念文学館が事前予約制ではあるが、再開して「文学と、草木染とーー山崎斌(あきら)のこころーー」展を開催中である。→「群馬県立土屋文明記念文学館
斌は明治25年長野県生まれで、前橋市には大正8年の数ヶ月住んだだけだが、息子の山崎青樹は群馬県指定重要無形文化財保持者である。
斌については、知恩寺の古本まつりだったか、800円で『草木染の命名者山崎斌展』(池田町立美術館、平成17年6月)を拾って知った。文士として活躍し、草木屋出版部を創立し、文芸雑誌を何冊も創刊しているので、買っておいた。何でも手広く買っておくものである。稲岡勝監修『出版文化人物事典』(日外アソシエーツ、平成25年6月)にも立項されていた。
山崎が創刊した雑誌を前掲図録の年譜からまとめると、

大正8年10月 『青年改造』創刊主宰
大正11年6月 『旅行と文芸』創刊
大正13年2月 『芸術解放』創刊主宰
昭和2年5月 『文学』創刊主宰
昭和5年7月 『日本文学』創刊
昭和8年4月 『紫根』創刊
昭和8年7月 風流雑誌『草人木』創刊
昭和11年3月 『純文学』『橙』創刊主宰
昭和13年4月 『月明』創刊主宰。同人は、大木惇夫、加藤武雄、前川千帆、水沢澄夫、水谷川忠麿、安成二郎

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歌誌『橙』だけ1冊持っているので、写真を挙げておく。2巻5号,昭和12年9月。
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カットは平塚運一で、斌が大正10年谷中初音町で大工の2階を借りた時に隣室にいた平塚と意気投合して以来の仲で、大正11年創刊の『旅行と文芸』は2人が中心となり、若山牧水山本鼎を同人として創刊した雑誌である。
6月10日まで無償公開中の「雑誌記事索引集成データベース - ざっさくプラス」で「山崎斌」を検索すると、118件ヒット。『婦人公論大正13年8月号に「カフェーの女」を書いているようだ。これは読んでみたい。