神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

四天王寺秋の大古本まつりで良さげな日記『撫石荘日乗』を拾う

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天神さんの古本まつりも今日で終わり、次は百万遍知恩寺秋の古本まつりである。さて、今日は四天王寺秋の大古本まつり100円均一コーナーで見つけた日記の話。斎藤専吉『撫石荘日乗』上・下(耕作舎、平成14年12月)である。「日乗」に目が留まったが、背表紙に「芋傘 斎藤専吉」とあるのを「洋傘」と空目して、洋傘商の日記ではなあと思いつつ、目次を見ると明治28年から昭和37年までの日記だった。戦前の日記を読むのが好きなオタどん、無名の人の日記だが、100円だし、何か発見できるかもと、重いが買ってみた。
帰って略歴や解題を見ると、斎藤は明治9年愛知県渥美郡畠村生、小学校の校長で、田原の岡田虎二郎!や山本右太郎らと養蚕業や病害虫の研究にも取り組んだらしい。「芋傘」は号。また、「来郡した学者文人墨客」(日記に登場する人名だろう)として、清野謙次、宮川春汀、柴田常恵、小金井良精、大山柏、黒板勝美、中谷治宇二郎、荻原井泉水西村真次巌谷小波、後藤守一、太田水穂鈴木尚土屋文明大河内一男らが出てくる。錚々たるメンバーだ。古書価は高くないが、古本市、特に均一コーナーはこういう未知の文献に出会えるから、大学・在野を問わず、研究者はまめに通わねばいかんよ。
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