大正13年に『苦楽』を創刊するプラトン社を描いた永美太郎『エコール・ド・プラトーン』(リイド社)というコミックが出たというので、今読んでいます。小野高裕・西村美香・明尾圭造『モダニズム出版社の光芒:プラトン社の一九二〇年代』(淡交社、平成12年)が出てから19年、とうとうプラトン社がコミックになる時代がやってきました。しかも、著者永美氏はプラトン社のあった堂島のジュンク堂書店大阪本店でバイト中に同書に出会ったのが、漫画家になるきっかけになったらしい。凄い話だ。
第1集は、『苦楽』創刊に奔走する川口松太郎と直木三十五が主役で、今読んだ所までには小山内薫、岡本かの子、岡本一平、岡本太郎、菊池寛、久米正雄、芥川龍之介、谷崎潤一郎らが出てくる。そうそう、確か高橋輝次さんが話題にされたこともあるプラトン社の編集員松阪青渓(寅之助)も登場。今後、プラトン社に集った文士・画家・編集者=エコール・ド・プラトーンに属するあの人やこの人が登場するのだろう。楽しみである。最近のコミックは解説がつくのか、本書には解説が付いている。「「大大阪モダニズム」の時代にようこそ」、なんと橋爪節也先生である。第2集、第3集に解説が付くとしたら、高橋さんや林哲夫さんが登場という事態があるかも。
(参考)拙ブログでは何回かプラトン社を話題にした。下記参照。
「大正モダニズム下のプラトン社と坪内逍遥」
「プラトン社の終焉と斎藤茂吉」
「中山太陽堂を2週間で逃げ出した画家」
「プラトン社の『苦楽』創刊」
「プラトン社の根本茂太郎」
「清水彌太郎、プラトン社員にして読売新聞社員」
「里見とんの原稿料」
「昭和2年における雑誌の発行状況」
- 作者: 永美太郎
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2019/01/31
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る