神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

冨山房新社屋本建築設計平面図

去年だったか善行堂で冨山房のPR誌『読書界』3冊を入手。昭和3年10月号には庄司浅水「読書と家庭」掲載。『日本家庭大百科事彙』への反響として、

永く待つた末漸く入手いたしました。立派な出来栄、特に家庭的記事の詳細な点親切の編輯に満足しました。(前橋中学校 丸山清康氏)

があった。また、「冨山房野球部生る」として、

部長 坂本守正
監督 石川冨士雄・石松敬司
会計 小笠原文雄・来原昇・小岩井謙三
庶務 小林正・中村博
部員 (略)

が記されている。
4年5月号には坂本嘉治馬「昔と今」(東京日々新聞所載)、橋本進吉「芳賀博士の遺著を読みて 日本文献学其他に就ての二三の感想」掲載。
4年12月号には、芳賀檀「最近独逸文壇の展望」などのほか、「いよ/\新築に着手した冨山房新社屋本建築設計平面図(神田通神保町旧社屋跡)」として各階の平面図が載っている。それによると、
地中階・・・一般食堂、社員食堂、宿直室、使用人室
1階・・・売店仕入部、発送部、荷造り室、店員溜り、小使室、応接室
2階・・・社長室、出版部、営業部、応接室
3階・・・編輯部、調査部、特別編輯室、図書室、応接室
4階・・・講演室・会議室、特別図書室、応接室
延坪は655坪
昭和7年に竣工し、その後建て替えられて現存しないようだ。
追記:冨山房編『冨山房五十年』(冨山房昭和11年10月)によると、鉄骨鉄筋コンクリート造7階(地階・屋根及び地上5階)、延坪775坪で昭和6年2月17日起工、7年9月13日竣工、同年10月9日落成式であった。