神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

桑原天然の弟子だった(?)日本心霊学会の渡辺藤交

その昔天下茶屋にあった井村宏次の生体エネルギー研究所には何度か行ったことがある。場所柄から帰りに怖い目に会ったのも今ではいい思い出である。さて、井村の名著『新・霊術家の饗宴』(心交社、平成8年12月)266頁によると、

天然の死後、彼の影響をうけた初期霊術家たちは、続々と<病気治療>を看板に、名乗りをあげていった。影響力の強かった人物を一、二あげると、まず天然の直弟子では「思念術」開祖・松橋吉之助、京都人文書院の社長で霊術家を兼業した渡辺藤交(日本心霊学会)などである。松橋の霊術は<祈り>観念力治療、渡辺のそれは、おさすりとお手かざしであって、メスメリズムの系統をひきついだものであった。

これによると日本心霊学会の渡辺は桑原の弟子だったように読める。ところが、『奇なるものへの挑戦 明治大正/異端の科学』(岐阜県博物館、平成26年)所収の一柳廣孝「霊術を売る 日本心霊学会の言説戦略をめぐって」では、松江の木原鬼仏は出てくるが、桑原への言及はない。井村の勘違いかな。
追記:桑原と渡辺については、小田光雄『古本探究Ⅲ』(論創社、平成22年1月)の「心霊研究と出版社」でも言及されている。

新・霊術家の饗宴

新・霊術家の饗宴

古本探究〈3〉

古本探究〈3〉