神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『蝦夷野』7巻7号(蝦夷野社、昭和15年11月)内務省検閲原本

これも昨日のアイヌ関係の袋の中に入っていたもの。ガリ版10頁の句誌。表紙の内務省印は、「内務省/15.11.29/[新聞紙]」 。その右に内務省印と同じく赤インクで「納本/新|無」。後者も内務省が押印したものだろうか。「新|無」の意味は不明。奥付は、昭和15年11月12日印刷、同月15日発行。編輯発行兼印刷人は山崎重次郎、発行所は北海道河西郡芽室村の蝦夷野社。北海道立文学館その他にも所蔵なし。「社告 蝦夷野発行日変更に就いて」によると、

蝦夷野は舟路吟社から出て舟路ー青圃ー青?ー竹堂ー千濤と編輯が代り北門?唯一の郷土誌として知られ函館大火以来十勝へ移りて七年俳句雑誌として長い歴史を有してゐるものだ

また、「十幾歳続いた」ともある。「舟路」は本号に句を寄せている「中村舟路」、「千濤」は同じく「山崎千濤」と思われる。
本誌はアイヌとはほとんど関係ないと思われるが、「鮭を突くアイヌの瞳川面射る」との句はある。袋の中には、アイヌ蝦夷関係の記事の切り抜きが20点ほど入っていて、本誌もタイトル中の「蝦夷」の関係で旧蔵者が保存していたのかもしれない。切り抜きには出典もきちんと書かれていて、岐阜市の富田高等女学校の学友会誌など一般人には入手が困難と思われる雑誌掲載の記事もある。まさか、この切り抜きすべてが内務省検閲原本からの切り抜きだったりして(◎-◎;)