神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

発見された売文社の機関誌『パンとペン』創刊号

黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社)で、黒岩さんが「残念ながら実物は発見されていない」とした売文社の機関誌『パンとペン』創刊号が、発見されたという。

『初期社会主義研究』23号の小正路淑泰「堺利彦生誕一四〇年・大逆事件一〇〇年−−福岡県みやこ町豊津より」は、

黒岩比佐子氏が当地へ取材に来られたのは二〇〇七年一一月だった。(略)以下は、二〇一〇年二月四日付私信の一部である。
「迷っていた本の構成、売文社の解散までで、それ以降の堺利彦の人生には、ほとんどふれずに終える、という決心ができました。“売文社以降”の堺利彦を書くのは、今の私には手に余りますし、別の人に書いていただければいい、私は「売文社」を中心にして書こう、と割りきることにしたのです。(略)」(略)もし体調が許したならば、きっとどこかで幻の売文社第二機関誌『パンとペン』創刊号(一九一八年八月)を探し出し、嬉々とされたに違いない。

とし、付記で、脱稿後、鳥取県立図書館橋浦泰雄関係文書が所蔵していることが判明したと書いている。黒岩さんも、天国で驚いていることだろう。