神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

織田昭子(輪島昭子)と川端康成をつなぐ篠原梵

安田善一(ととやの元経営者)、安田光子(安田夫人)、織田昭子(ととやの元マダム)らによる座談会「戦後文壇の遺跡“幻のととや”」『噂』昭和48年2月号によると、

織田 林(芙美子)さんの一周忌の時に篠原凡さんが、川端(康成)さんのよく知っている安田さんという人が、新宿で「ととやホテル」を始めてて、そこのクロークでバーをやらないかって私におっしゃるの。どうだろうかって・・・。
安田 そうじゃないよ。あんた突然、川端さんと篠原さんの私への紹介名刺をもって来たんだよ。
安田夫人 違う違う。そうじゃない・・・。川端先生を知っているという点で、皆つながっていたのね。

「篠原凡」は、正しくは篠原梵だろうか。『日本近代文学大事典』によれば、明治43年4月15日生、本名敏之。昭和9年東大国文卒。13年中央公論社入社、19年退社。23年上京、再び同社に勤務、出版部長、編集長を歴任。昭和50年10月17日没。川端とは親しかったのだろうか。
追記:同社の社史によれば、昭和23年12月『少年少女』編集部長、24年9月『中央公論』編集部長、28年8月出版部長。