神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

とりあえずググれ

「とりあえずググる」世代ではなく、「とりあえず事典を見る」世代なので、「yukunoki-a」さんに聞かれた小口みち子(平民社の常連客、『へちまの花』の執筆者)の読み方を色々事典類などで調べてしまった。

*「おぐち」とするもの
『日本近代文学大事典』、『日本人物情報大系 女性編』に収録の事典(戦前の『婦人年鑑』を除く)、NDL−OPAC

*「こぐち」とするもの
戦前の『婦人年鑑』
『近現代日本女性人名事典』、『日本女性運動史人名事典』

*戦前の読売新聞は両方

夫の映画監督小口忠は、
・X生『新らしき女』(聚精堂、大正2年1月)の「小口みち子女史」では、みち子にルビはないが、夫の小口忠に「をぐちちう」とルビがあること
田中純一郎『日本映画発達史5』の主要人物索引で「お」に配列されていること

以上のことから「小口みち子」は「おぐちみちこ」が正しいが、「こぐちみちこ」も許容されると思った後で、ググってみたら、なんと、「http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/K/koguchi_mi.html」に、

*多くの人名事典では小口のヨミを「おぐち」としているものがほとんどであるが、永原先生が小口みち子の次男の正也氏から直接に伺ったところでは、みち子活躍の頃から「おぐち」と言われることが多く、「母は、もうコグチでもオグチでもどっちでもいいわ。訂正するのもめんどくさい、と話していました」とのことであり、正式は「こぐち」が正しい。よって、ここでは「こぐち」で紹介します。

とあった。とりあえずググった方が早い場合もあるようだ。結局、黒岩比佐子さんが『パンとペン』の「人名索引」で「こ」の位置に配列していたのは正しかったことになる。さすが、黒岩さん。

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