神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

官僚たちの初夏

昨日は、夏が来たかという所もあったようだ。さて、『官僚たちの夏』である。この小説は、主人公風越信吾が通産省大臣官房秘書課長だった時から始まるが、モデルの佐橋滋はその前は石炭局炭政課長であった。その頃の他の登場人物のポストを見てみよう。佐橋に可愛がられた庭野のモデル三宅幸夫は、大臣官房総務課課長補佐・法令審査委員。フランス語の夜学に通ってまで、フランス駐在を目指した牧順三のモデル両角良彦は、大阪府商工部商工第一課主査。過労死することとなる鮎川のモデル川原英之は、大臣秘書官。佐橋のライバル玉木のモデル今井善衛は、通商局通商政策課長。そして、佐橋とは両極にあるようなライフスタイルだった片山泰介のモデル山下英明は、外務省経済局第三課事務官。

こうした通産官僚の尽力もあって、日本は高度経済成長期を迎える。岸本葉子さんも高度経済成長期の昭和36年生まれ。女史の父も、通商局の官僚だったという。

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小説すばる』4月号の「荻原魚雷の古書古書話」は、浅倉久志の『ユーモア・スケッチ傑作展』の話。 

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小林よしのり昭和天皇論―ゴーマニズム宣言SPECIAL』(幻冬舎
ゴーマニズム宣言SPECIAL 昭和天皇論

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筒井の『アホの壁』は今のところ、二刷どまりのようだから、やはりあまり売れていないのではなかろうか。