神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

幻の探偵小説図書館


延原謙探偵小説選』(論創社、2007年12月)所収の「探偵小説図書館設立私案」*1を要約すると、

設立場所:地代五十銭を予定するため、一例として牛込矢来町程度の場所。借地九十坪。
建物:鉄筋コンクリート三階建、百八十坪。
   一階:定員二百名の宴会場。大衆講演会、探偵小説作家用医学、理工学、法律学講演会を開き入場料を稼ぐ。素人芝居、義太夫長唄、琵琶等への貸席(席料一夜十円位)。
   二階:収容能力二万冊の書庫と定員百五十名の閲覧室。司書一名子供四名。閲覧料十銭、予定閲覧者一日平均百人を獲得するため三階に特別参考品室を設け探偵小説倶楽部員の紹介する者に限り縦覧せしめる。
   三階:探偵趣味倶楽部。談話室、食堂、競技室、小寝室、管理人居室、特別参考品室等。
資金:建築費三万六千円(坪二百円)、設備及び備品費六千円、図書購入費三千円、予備費五千円、合計五万円。


最後に「誰か五万円出す人はいないものか」と呼びかけているが、奇特な人はおらず、実現していない。
机上の案で終わっているので、図書館学的に意味はないと思われるが、紹介しておこう。

                                                                          • -


ジュンク堂新宿店で、

■2009年7月30日(木)18:30〜
『1945年の歴史認識−〈終戦〉をめぐる日中対話の試み』(東京大学出版会)刊行記念
戦後、日本の歴史認識はいかにつくられたのか?
佐藤卓己×川島 真

があるらしい。→「http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuku.html#20090730shinjuku

*1:初出は『ぷろふいる』1935年1月号。