神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

下中彌三郎の信仰新体制協議会


講談社野間清治については、ミネルヴァ日本評伝選佐藤卓己氏が執筆されるようだが、平凡社下中彌三郎については、誰か書いてくれないのだろうか。海野弘氏あたりが適任かもしれない。


下中については、『下中彌三郎事典』が存在するわけだが、すめらみこと信仰については、たいしたことが書かれていない。しかし、『特高月報』昭和15年11月分の「信仰新体制協議会の結成」によると、

平凡社々長下中彌三郎(東京建設同志会中心人物)は予てより「國内新体制に即応すべき宗教の新体制は、既成の諸宗教団体を解消すると共に、氏子制度の徹底的再組織を断行してすめらみこと信仰を確立し、國民の信仰を 天皇信仰に帰一せしむること以外に無く、又斯くすることに依つてのみ神掌翼賛の実を挙げ得べし」となして同志の糾合に努め来れるが、去る八月十六日東京会館に於て第一回協議会を開催(参会者主なる者は宗教問題研究所主事伊藤力甫、鎌倉八幡宮々司座田司氏、國学院大学教授澤田五郎、皇國基督道同盟主宰加藤一夫、全國神職会々員西田文四郎、東洋精神研究所理事松本勝三郎、世界紅卍字会後援会主事小田秀人、平凡社企画部長佐藤彬等)せる以降十数回に亙り協議懇談を重ねたる結果此の程漸く結成の準備完了して本月一日午後四時三十分より東京市神田学士会館に於て結成式を挙行し(参会者約一五〇名)別記(一)の如き綱領宣言等を決定する所ありたり。

諸岡存が創設した東洋精神研究所(昨年3月12日参照)も出てくるね。
この信仰新体制協議会の発展的解消については、『特高月報』昭和16年11月分の「運動日誌」同月22日の条に「下中の信仰新体制協議会は、皇國運動聯盟に加盟したる為独自の存在意義を失へりと為し本日解散せり」とある。