神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

金雞学院講師の伊藤武雄


亀井俊郎『金雞学院の風景』によると、同学院の講師であった伊藤武雄の講義内容は、「古事記日本書紀万葉集、神器相承論、木下順庵の教学、洗心洞箚記、法忍和尚伝、松本烏涯、興言論、元和偃武以来の人傑談」。宮内省帝室林野局に勤めて、後に同省諸寮*1庶務課長兼考証課長となったというから、同学院の安岡正篤の名代として竹内文献を拝観した伊藤と、森銑三の畏友にして掃苔家だった伊藤は同一人物だったということになる。


また、同書によると、伊藤以外の講師としては、赤池濃、権藤成卿ラス・ビハリ・ボース大川周明、町田辰五郎など。講演を行ったことがある者としては、有馬良橘、五十木良三(正しくは、五百木良三。『日本及日本人』を発行する政教社々長)、江藤夏雄、酒井勝軍、沢田謙(「灸の先生」とあるので、正しくは、沢田健と思われる)、堀内三郎など。「学院と何らかの交渉があったと思われる」とされる人物の中には、桜沢良一、藤沢親雄森銑三、湯沢三千男といった名前が見える。


(参考)11月11日。江藤については10月3日、沢田については昨年6月20日参照。

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本日の「古書販売目録と反町茂雄」。誰ぞが出現するか。

*1:正しくは、諸陵寮。