神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

その後の榊原芳野旧蔵書


明治期の奇人榊原芳野の旧蔵書のその後について、国会図書館朝倉治彦が書いてくれていた*1

蔵書は、芳野の歿した年の大体一年後の明治十五年十二月(芳野の命日は十二月二日)に、東京図書館へ寄贈の手続きがとられ、今残っている文書類中の『図書贈進願書及諸会社等往復綴』(明治十六年)中に、関係文書が綴じこまれている。/略/寄贈された芳野の旧蔵書は整理されて、明治十八年六月印行の『東京図書館漢書分類目録 後編』に収録され、書名の下に「榊」の文字を付したので容易に弁別できたが、帝国図書館の蔵書目録刊行時には除かれたため、全く外部から窺い知ることが不可能となってしまった。なお、旧蔵書はコレクションとして、整理されなかったことも指摘して置かねばならない。「同人所蔵之名目を以て永ク御保存」の希望には、十分に応えなかったことが残念に思われる。


「榊」印の付いた『東京図書館漢書分類目録』。誰ぞは、所蔵しているかすら。


(参考)『学海日録』の明治16年12月13日の条。

文部省に至り、新任の卿大木氏に謁す。大槻文彦、余が為に榊原芳野が事を告らる。(中略)芳野初の名、歴平といふ。(中略)後、文部に徴されて一等属にのぼる。得る所の俸金、挙げてこれを書に費す。しかれども人となり胆怯にして、ものに驚きおそるる性質なりしが、終に発狂してあらぬ事をののしるに至る。(中略)友人、これを憂て病院にいれて養はしむ。しかれども、病終療ることなくして終に身まかれり。(中略)遺書三千五百巻、友人等相謀りてこれを書籍館に献じ、もて芳野の名を後世に伝ふと云。(中略)一生髪を剪ることなく、これを束たり。衣服もまた俗に同じからず。人これを笑へども固くとりて従はざりき。

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わすも七瀬さん、見ますた。最近の子はSF慣れしちゃってるからウケルかしら、心配。
できたら、七瀬さんを殺さないで!(今頃、言っても遅いだろうけれど)

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第1弾は見たけれど、いつのまにか第5弾になる「恋のから騒ぎドラマスペシャル」。「金星から来た女」には、哲学専攻の院生で、インドダンスで愛を告白する女が出るらしい。どうでもいいがK大の印哲だったりして(笑) ←光丘仁美(東大生)だったらしい

*1:榊原芳野の蔵書」『森銑三著作集続編第八巻』月報8、1993年12月