神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 神政書院の巌本善治と三浦関造


巌本善治というと、明治女学校とか『女学雑誌』が定番であるが、大東亜トンデモ学ともちびっと関係しているみたい。近代文学研究叢書第52巻の巌本の章によると、

やがて彼は、“明道の会”とも言われる「惟神会」を通じて「真の惟神の大道を開明し、国教を確立せん事を期す」るという情況に身を置く。(略)
巖本は、こうした惟神の大道を推しすすめるかたわら、昭和十二年一月、自宅の豊島区西巣鴨三丁目六百六十番地を神政書院と名づけ、三浦関造にすすめて『大日本ハ神国也』を出版。四六版四四五ページの大冊に、巖本の序文が付されている。


「惟神会」は、『全国国家主義団体一覧 昭和十六年十月現在』によると、大正5年3月創立、所在地は渋谷区隠田三ノ一九一で、会長は丹羽保三郎、会員約百二十名という。


神政書院からは、三浦の書ぐらいしか刊行されていないか。この『大日本ハ神国也』は、戦後GHQによる没収指定図書となった。櫻澤如一については、松本一朗『食生活の革命児 桜沢如一の思想と生涯』(地産出版,1976)があるが、三浦の伝記はまだないか。

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集英社から9月5日に榎本正樹氏による女性作家へのインタビュー集『Herstories 彼女たちの物語』というのが刊行されるらしい。十人とは、綿矢りさ柴崎友香島本理生桜庭一樹鹿島田真希三浦しをん雨宮処凛本谷有希子青山七恵金原ひとみ。顔が浮かんでくるのは、綿矢、桜庭、金原のみ。柴崎、島本、三浦は多分名前だけ知っている。「多分」というのは、もしかしたら似たような名前の別人と混同してるかもしれないので。鹿島田、雨宮、本谷、青山は「なんじゃそれは」という感じ。書店員は、これらの人達の名前を知っているだけでなく、作品も読んでいるのかしらね。