三省堂書店神保町本店*1のエスカレーター脇の写真パネルを見ると、坂西志保(さかにししほ)って色黒の小柄なおばさんという感じだが、戦前、アメリカ議会図書館日本部部長を務めた偉い女性。明治29年生まれ。開戦により昭和17年交換船で帰国し、外務省嘱託、太平洋協会アメリカ研究室主幹、NHK論説委員を務めた。昭和51年没(『日本女性人名辞典』による)。
戦前、国際文化振興会調査部に勤めていた堀田善衛の自伝的小説『若き日の詩人たちの肖像』に坂西と思われる女性が出ていた。
廊下の向いの部屋には徳川法制史室というむずかしげな看板がかかっていて、あるとき男がここはなにをしているものなのだろうと思ってのぞいてみると、老眼鏡をかけた半白の学者らしい男と、おっかなそうな面構えの中年の女とがいた。この女性は、かつてワシントンの国会図書館の東洋部長のようなことをしていたという女傑で、つい近頃交換船で戻って来た。二人は徳川時代の法制史の研究とその英訳の仕事をしているものであった。戦前からひきつづきの仕事とはいうものの、この非常時に、なんともそれは悠長なはなしであった。この学者と女傑の二人は、一週間に二度か三度、それも半日いるかいないかで、徳川法制史室は昼寝と読書にまことにふさわしいところであった。
坂西の名前は、最近では鶴見俊輔・加藤典洋・黒川創『日米交換船』(新潮社)で見ることができたが、詳細な評伝を読みたい人間だね。
参考:昨年2月19日
明日のNHK教育「知るを楽しむ」の長山靖生は千里眼事件だすね。
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日本経済新聞社編『日経五つ星の美術館』を見る。美術館の職員はこれを見て一喜一憂しているのだろうね。次は、『五つ星の図書館』だすかね。
『週刊ポスト』で『日本売春史』が紹介されていた。そういえば、同書は既に3刷になっていた。
*1:神田本店から名称変更したね。