『ドグラ・マグラ』の著者として、また、国士杉山茂丸の息子として知られる夢野久作。
日記でその名前を見るのは珍しい。
原田種夫『九州文壇日記』(叢文社、平成3年2月)を見ると、
昭和8年3月21日 山田と介春氏のところに行く。夢野久作氏が来ていた。新しく出す雑誌のことを話しあってかえる。
6月26日 山田、金光、岩崎、夢野にハガキ。
11年3月19日 ブラジレイロで劉、中村、火野に遇う。
夢野久作の葬儀にやって来たのである。
夢野は昭和11年3月11日没。同月14日に継母宅で葬儀、19日に福岡の一行寺で葬儀。8年3月21日の「新しく出す雑誌」とは5月創刊の『九州詩壇』かと思われるが、確認できない。