佐々木信綱、高山樗牛、永井荷風、長谷川如是閑、森田草平、久留島秀三郎、杉靖三郎など、杉浦から薫陶を受けた人々は、まさに綺羅星のような感がある。
日本中学校の本校一号館、講堂を建築設計した今井兼次は、明治から大正に改元された年の最初の卒業生として日本中学校を卒業、早稲田大学の建築科へ進んだ。
彼が最初に手がけたのは早稲田大学の図書館だった。開館式が一週間のちに迫ったある日、今井は図書館長に呼ばれて「開館式には間に合うだろうな」と質された。
図書館長は建築には素人だったが、進捗状況からして間に合わないのではないかと危惧したのである。
(参考)引用文の前には、日本中学校で杉浦の薫陶を受けた岩波茂雄も登場している。
ここに出てくる図書館長とは、もちろんあの人だすね。
ちなみに、この今井のエピソードは今井の『建築とヒューマニティ』に記載されているとのこと。