神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

大正11年関西大学大学部経済科を卒業した吉川太三郎のその後ーー関西大学博物館で大学昇格100年記念展を開催中ーー

1922(大正11)年6月5日専門学校であった関西大学は、大学令に基づく大学として認可された。今年が大学昇格100周年ということで、関西大学博物館で記念展示会「真理の討究 学の実化」を開催中。観覧してきたが、関西大学初の女子学生(聴講生)である北村兼子*1のS…

本野精吾が設計した暁烏敏による幻の図書館「大日本文教院」ーー小林昌樹「宗教と図書館の近代史」への補足ーー

『近代出版研究』創刊号(皓星社発売)が大成功した近代出版研究所長小林昌樹君の「宗教と図書館の近代史」が、昨年2月から3月まで『佛教タイムス』に連載された。内容は、「小林 昌樹 (Masaki KOBAYASHI) - マイポータル - researchmap」の「MISC」で見ることができ…

『児童読物之研究』(葺合教育会児童愛護研究会、大正12年)の活用ーー今田絵里香『「少年」「少女」の誕生』(ミネルヴァ書房)への補足ーー

今田絵里香『「少年」「少女」の誕生』(ミネルヴァ書房、令元年10月)は、序章によると、「本書は、少年少女雑誌の誕生と変遷、および、少年少女雑誌における「少年」「少女」に関する知の誕生と変遷を明らか」にし、「その背景を考え」たものである。このう…

秦テルヲが裏表紙画を描いた中川四明の句誌『懸葵』大正4年7月号ーー玉城文庫の均一台からーー

昨年の知恩寺秋の古本祭りで玉城文庫の3冊500円台には、一番目に張りついた。そこでは、中川四明が主宰した句誌『懸葵(かけあおい)』(懸葵発行所、明治37年2月創刊)が数冊出ていた。句誌には関心がないので、散々迷って何回目かのチェックで購入。京都で発行…

平安蚤の市で得した!損した?ーー近事画報社から発行された絵葉書集『西洋近世名画集』(明治38年)ーー

平安蚤の市でナンブ寛永氏の200円均一箱から、『西洋近世名画集』(近事画報社、明治38年10月)を購入。黒田清輝、小山正太郎、浅井忠が選んだ絵葉書を使って西洋名画を紹介した本である。同月から毎月発行され、39年5月までの8冊が確認されている。絵葉書が外…

東京医学校でお雇い外国人ワグネルに学んだ佐野誉の『回想録』(昭和12年)ーー京都まちなか古本市の掘り出し物ーー

昨年10月に開催された京都古書会館のまちなか古本市は初日が四天王寺秋の大古本まつりと重なった。両方回る元気はないので、初日は四天王寺、2日目は京都古書会館にした。京都古書会館では、2日目のためか1冊だけ購入。500円均一だったかで、佐野實『佐野誉…