神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『ヒコバエ』(女子大学講義発行所、大正14年)の表紙にロセッティの《ジェーン・モリス》ーー大正13年創刊の『ヒコバエ』ーー

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 大阪古書会館の「たにまち月いち古書即売会」で再び『ヒコバエ』(女子大学講義発行所)を購入。今回は、大正14年3月号である。某先生が私のかごに入ってるのを見て、「いいもの買ってるね」と。多分表紙のロセッティ《ジェーン・モリス*1》に気付いておっしゃったのだろう。私は、どこかで見たことのある絵としか分からず、買ったのは昨日「大手拓次がライオン歯磨広告部員だった時代の広告が載った『ヒコバエ』(女子大学講義大正15年3月附録) - 神保町系オタオタ日記」で紹介した号より古いからであった。
 ところで、『ヒコバエ』の創刊時期である。日本女子大学図書館が7巻12号,昭和5年12月から9巻3号,昭和7年3月までのうちの一部を所蔵しているので、大正13年1月創刊と推定できる。また、私が入手した大正15年3月号には実はもう1つ奥付があって、ここには18号との記載がある。こちらから推測すると、大正13年10月創刊である。どちらが正しいのか分からないが、大正13年創刊であることは、確実だろう。
 今回入手した号の目次を挙げておく。
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 目次に載っていない投稿者の一部の氏名も書いておこう。

童謡
 西原節子(京都)、徳弘艶子(高知)など
推薦歌(十五首)
 高野不二子(東京)、万宮藤子(徳島)、坂梨清子(福岡)など
詩 
 大家文子(岡山)、福田美代子(京都)、七里美喜子(長崎)、藤田清美(新潟)など
ヒコバエ詠草
 吐山芳子(朝鮮)、上続文枝(京都)、池沢千代乃(台湾)、鈴木恒子(静岡)、多田嘉津枝(大阪)など
文華
 久保球子(熊本)、大倉斐子(岡山)、谷川静代(熊本)など
消息
 江木久子(北海道)、山本ヨネ(京都)、宇都宮マサヲ(愛媛)、赤塚信子(鹿児島)、水越ゑん(奈良)など

 知らない人ばかりですね。正科生だと青木生子・岩淵宏子編『日本女子大学に学んだ文学者たち』(翰林書房、平成16年11月)が出るくらいの日本女子大学校だが、通信教育生で後に著名人になった人はいるのだろうか。
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