神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

知られざる北村小松の大衆文藝傑作文庫『空の非常線 處女よ嘆く勿れ』(艸元社書房)

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 『本のリストの本』の重版記念イベントがあった日に、三密堂書店で「大衆文藝傑作文庫」の『空の非常線 處女よ嘆く勿れ』(艸元社書房)を発見。未知の文庫で、かつ、北村小松執筆なので購入。124頁、400円。昭和12年10月初版、16年10月再版。青森県立図書館・青森県近代文学館編『北村小松展:特別展 没後30年』(青森県文学館協会、平成6年7月)の「北村小松著作年表」に記載なし。所蔵する図書館も無いようだ。
 大衆文藝傑作文庫については、奥村博明『文庫博覧会』・『文庫パノラマ館』(青弓社)では言及なし。しかし、さすが大屋幸世先生は言及していた。『書物周游』(朝日書林、平成3年4月)の「文庫本拾遺」で、矢口進也『文庫そのすべて』収録の72文庫に手持ちの34文庫を追加していて、その中でこの文庫を挙げている。大衆文藝十銭文庫(昭和10年7月)の改題文庫とし、所蔵の長谷川伸『雪の渡り鳥 如水軒と家来 両面盗賊篇』(昭和12年10月初版・16年10月再版)を紹介している。大屋先生の旧蔵書は、どうなったのだろうか。
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