神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

下鴨神社納涼古本まつりで見つけた『崇信会と芦屋仏教会館のえにし』(昭和5年)

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いよいよ暑くなってきて、8月の下鴨納涼古本まつりが近づいてきました。今年は無事開催されるか心配なところだが、関係者の皆様よろしくお願いします。
さて、2年前の下鴨で『崇信会と芦屋仏教会館のえにし』(芦屋仏教会館、昭和5年8月。以下「本書」という)を見つけた。表紙に「えにし」とあるだけで、こういうわけのわからないタイトルの本は要チェックで、珍本であることも多い。34頁の小冊子で、三密堂書店の1冊200円・3冊500円のコーナーにあった。編集兼発行者は安田秀邦、印刷所は藤沢浄円(足利浄円の本名)の同朋舎。
芦屋仏教会館については、芦屋市立美術博物館で貰ったパンフで知ったと思う。崇信会と芦屋仏教会館の関係については、写真を挙げたそれを見られたい。ただし、崇信会の創設が大正12年というのは誤りで、本書では大正13年6月11日、会館のホームページ「芦屋仏教会館」の「会館概要」では同年9月11日である。
本書は、芦屋仏教会館の財団法人化(昭和5年3月許可*1)に伴い、「崇信会の起因より財団法人芦屋仏教会館設立に至るまで七ヶ年の概要を左記目次の通り書き列ね」たものである。目次を挙げておこう。
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昭和2年6月5日~8日に開催された開館記念大講演会の講師と演題は、

6月5日
大乗仏教の体現者 羽渓了諦
理論の宗教と実際の宗教 利井興隆
日本文化と聖徳太子 谷本富
平生業成 左藤義詮
聖徳太子より親鸞聖人へ 甲斐静也
6月6日
重大なる問題 清岡隆乗
信仰の必要 大谷尊由
信は反動なり 西谷順誓
6月7日
世間虚仮唯仏是真 埜田諫美
聖徳太子の御精神 三浦周行
宗教と道徳との関係 中井玄道
6月8日
教行信証大意 木辺孝慈
和国の教主聖徳皇 梅原真隆
浄土真宗 雲山龍珠

本郷の求道会館やこの芦屋仏教会館、一度見学してみたいものである。
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*1:会館のホームページで昭和10年4月3日としているのは、崇信幼稚園の開園と入れ違っているようだ。