神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

書砦梁山泊から伝記特集の古書目録

紹介するのが遅れたが、2月に書砦梁山泊から古書目録46号、伝記特集が出た。近代以降の自伝・回想録・日記・評伝・追悼録の特集で、被伝記者の五十音順に並べているのが特色である。更に書名や著者名の被伝記者名の部分を太字にしたり、被伝記者名を補記するなど細やかな配慮もされている。この配列については、意見があるところであり、知り合いの古本者は「分野別にしてほしかった」とのことであった。わしみたいに全集別巻の人名索引を全部「読む」のが好きな人にはこれでいいが、関心のある分野の人物の箇所を集中して読みたい人には不便かもしれない。分野別にした上で巻末に五十音順人名索引を付けるという手もあるが、そこまでやると古書目録というより資料集の感もある。難しいところである。
表紙は、今年100周年を迎えるロシア革命関係のもので、元活動家の店主らしいものとなっている。裏表紙はアラビアのロレンス関係のもので、これについては目録を入手して「まえがき」を読んでいただきたい。
さて、私が注文したのは3冊でした。

748 蒼い大草原:満蒙独立の志士斎藤元宏 佐藤昇一 昭62 1800円
1013 近代日本を築いた田中芳男と義廉 村沢武夫 昭53 2700円
1297 追慕[濱島静波] 松岡嘉一郎編 昭16 8500円

濱島静波は全然知らなかった人だが、注に「玩具楼濱島静波 兄の霊に捧ぐ(壹百部限定)」とあり、面白そうな人なのでググったら『多納趣味』の関係者とあったので購入。『多納趣味』は、別冊太陽『発禁本3』の「多納趣味と旅の趣味」によると、

名古屋を本拠とする多納趣味会は、本邦初の和紙和綴じの趣味会誌を発行し、会員二百数十名を擁して地元の百貨店などで様々な趣味展を開催していった。

『多納趣味』はまだ持ってないが、古書展で立ち読みすると、会員の中に濱島の名があった。編輯兼発行人は佃野由兵衛。濱島の追悼録である『追慕』については、別途紹介予定。