神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

夢野久作が夢見た大倉精神文化研究所の未来


夢野久作の日記』を見てると、

昭和3年7月9日 東京に精神文化研究所立つと、個人の思ひ立ち也。喜ばし。然れども其研究方針を見るに漫然たるものあり。唯来るべき新時代の魁となるべきを頼み、思ふのみ。


最初は、昭和3年に創立されという大槻憲二の東京精神分析学研究所(4月19日参照)の誤記かと思ってしまったが、どうやら大倉精神文化研究所のことのようだ。同研究所は、昭和3年3月に設立事務所を日本橋区の大倉洋紙内に設置。同年6月には、建設予定地を中目黒から変更し、現在地(横浜の大倉山)に敷地を購入している。同年7月20日の『東京日日新聞』を始め、その前後に研究所に関する新聞記事が掲載されたというので、夢野はそれを見たのであろう。研究所は、その後昭和7年4月に創立された。


追記:朝日新聞によると、書肆アクセスの閉店は11月17日とのこと。もはや、止められないか。南陀楼綾繁さんらによる活動は、「ナンダロウアヤシゲな日々」参照。


R25』にはオンライン図書館ネタ。