トンデモシンポジウムを記念して、偽史ネタを。
知恩寺の古本まつりで200円で拾った満井佐吉『底力論』（青山書院、昭和17年10月）8・9頁に次のような一節がある（旧字は新字に改めた）。
もと／＼、日本 御皇室の祖宗の神々によつて全世界は嘗ては統一せられ支配されて居つた。欧州も、中部アジアも、極東も然りである。此の一大事実が、此の頃、考古学的研究によつて、各種の材料、各班の部面から立証されて来た。支那からも、小アジアからもエジプトからも、乃至は又、アメリカからも、かうした材料が今や逐次に続出しつつある。（略）
然る所、大八島沈降時代に於て、日本海に海溝が出来、大陸と日本とが隔絶するに至つて、地球上の交通も自ら不便になつたと云ふ理由や、其の外、各種の理由によつて、日本の支配を受けてゐた全世界が、次第に日本から離れ去つた。さうして遂には日本を敵視し、日本を覆滅するやうな反逆を企てるやうにさへなつたのである。
明記されていないが、竹内文献を主な根拠にしているのは明らかであろう。満井の名は、竹内義宮『デワ話ソウ』（皇祖皇太神宮、昭和46年11月）の「主なる神宮拝観者と参拝者」に見えないが、同名簿中の「他何名」とある中に含まれているのかもしれない。満井は、拙ブログ「「銀シャツ党」首領ペリーと古賀政男の弟古賀治朗」で、竹内文献の拝観者眞崎甚三郎の日記に名前が出ていた。満井の創立した天関打開期成会もトンデモ系の団体だったのかもしれない。
