神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『考古学者榧本杜人』(朝鮮講話の会、1972年9月)

大阪天満宮で厚生書店出品の200円。未知の人物だが、戦時中の日記が収録されていたので購入。榧本杜人(かやもと・もりと、1901-1970)は本名亀治郎、戦前は朝鮮総督府学務局社会教育課、同博物館等に勤務、戦後は奈良国立文化財研究所歴史研究室長、平城宮発掘調査部長等を務めた。年譜によると、1919(大正8)年9月「奈良女子高等師範学校雇となり、図書館に勤務」とか 、1925(大正14)年8月「東京美術学校文庫掛として勤務」とあるので、そのころの日記があれば面白そうだが、戦前のものは昭和19・20年の一部があるだけという。
同書から座談会の一部を紹介。

小泉(顕夫) (略)神戸に古屋という古本屋があって、戦災をうけ姫路に疎開していた。その本屋が昔の雑誌をみつけ、「みたら、貴方が編集兼発行人になっている」ということで私のところへ送ってきたんですョ。それを見たら、榧本君達がつくっていた『未墾地』というガリ版の雑誌なんです。本人がしらんうちに名前を使いよった。(略)

『日本古書目録大年表』によると、神戸には古家書店というのがあったようなので、「古屋」は正しくはそれかもしれない。