神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

ダガバジジンギヂと高橋元吉

萩原朔太郎萩原恭次郎は紛らわしいが、高橋新吉と高橋元吉も紛らわしい。
新吉の『ダガバジジンギヂ物語』によると、この二人は会ったことがある。

萩原恭次郎は、その頃石倉にいた。豊田(勇)が恭次郎を知らぬので、逢いたいというので、恭次郎を訪ねた。(略)
恭次郎は、その頃、前橋市の本屋に勤めていた。高橋元吉の経営している本屋であった。
その夜恭次郎は、われわれを、元吉の自宅へ連れて行った。閑雅な家だった。私は元吉に逢うのは、初めてだった。娘さんがいた。物しずかな小柄な人のように、私は元吉を感じた。その頃、元吉という名前を成直という名前に替えて、詩を発表していたが、これは、やめた方がいいというように私は言った。

新吉の年譜によると昭和10年の出来事とされているが、『ダガバジジンギヂ物語』によれば、昭和9年と解すべきと思われる。
(参考)「煥乎堂の高橋元吉

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わすも古本修行に行くか。中島俊郎『オックスフォード古書修行―書物が語るイギリス文化史』。
参考:「黒岩比佐子さんと中島俊郎先生