先日の「歴史秘話ヒストリア」で井上円了をやっていたので、昔のブログから引用だす。
2005年12月6日
さて、以前(11月7日)紹介した中野区立歴史民俗資料館の「井上円了の民具コレクション展」(11月27日で終了)は、無料で、展示スペースも小さかったが、見ごたえがあった。
「幽霊」の置物や、「幽霊ノ烟管」(と言っても、普通のキセル。採集地不明)、「朝鮮にて魔除に用てる人形」、「ビリケン陶像」(採集地不明)、「御祓具」(採集地秋田県)、そして静岡県伊豆で採集した「コックリさん」。
「コックリさん」のキャプションには、
3本の棒を三脚状に束ねて机上に置き、その上に盆や飯櫃のフタ、風呂敷などを乗せ、手でフタを押さえ、「コックリ様、コックリ様、お移りください」などと唱える。失くした物の行方や、恋愛、運勢などについて質問を行う。装置が動くと神が降りてきたとみなされる。
井上円了が仲間を誘って「不思議研究会」を発足させたのは、明治19年(1886)1月24日のことである。当時、コックリさんが日本中で流行していた。そこで、円了はコックリさんに注目し、研究を行った。「コックリさん」は円了の妖怪研究にとって最初のテーマである。
円了は資料を収集するだけでなく、実際にコックリさんの実験を行っている。学生や女性、年少者など参加者を変えてみたり、竹の代わりに煙管を、盆の代わりに茶壷を用いるなど、試行錯誤している。また、目録には、
円了は、明治19(1886)年に東京大学の学生たちを中心に「不思議研究会」を設立し、妖怪学の研究に着手します。
(中略)
明治20年に出版された『妖怪玄談』では、自分は幼い頃から妖怪の話を聞くことが好きで、大人になったらその理を極めたいと思い、5年前(明治15年頃)からその事実(妖怪の話)を蒐集してきたと述べています。明治24年 34歳 迷信打破のため、「妖怪研究会」を設立し、不思議研究会の資料を幹事狩野亨吉より受く。
とあった。狩野について、そんな話があったかなあ・・・(『狩野亨吉の生涯』(青江舜二郎著)を押入から掘り出さねば。)
追記:西部新宿線沼袋駅から資料館に行く途中の天野書店は、中々シブい古書店。
・中公文庫『明治大正見聞記』(生方敏郎 著)220円
・旺文社文庫『巷談 本牧亭』(安藤鶴夫著)1000円
・『書斎随歩』(斎藤昌三著)5500円
などを見かけた。付近には新古書店が2軒もあって、店売りは厳しそうだが、がんばってほしいものである。
上記への某氏のコメント
2005年12月7日 7:31 PM
「学生時代,沼袋にもなんどか行った。沼袋にはもう一軒,引っ込んだところに訪書堂ってとこもあるよ。でもこのまえ行ったら開いてなかった。目録専門になったのかなぁ。そっちもいい店だったよ。」