神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

小谷野敦『久米正雄伝 微苦笑の人』(中央公論新社)の目次

いやあ、出ました。猫猫先生の『久米正雄伝 微苦笑の人』(中央公論新社)。言えば、送ってもらえるのだろう*1が、匿名を維持するため、そうもいかず、自費で購入。目次は、

まえがき
第一章 父の死
第二章 俳人・三汀
第三章 盛岡から東京まで
第四章 ホモセクシュアルな奴等
第五章 中条ユリとの恋
第六章 漱石山房と第四次『新思潮』
第七章 「破船」事件をめぐるアポロギア
第八章 流行作家の誕生
第九章 『破船』と震災と結婚
第十章 私小説と純文学−−『天と地と
第十一章 悲劇の昭和二年
第十二章 通俗小説とは何か
第十三章 芥川賞直木賞
第十四章 戦争まで
第十五章 文学報国会事務局長
第十六章 鎌倉文庫社長
最終章 淋しき人
あとがき
参考文献
久米正雄略年譜
人名索引

「あとがき」によると、

しまいには、久米の通俗小説を手にとっただけで神経に異常を来し、傍らに放り出して、それから二日ほどたち、勇猛心を奮い起こしてまた手にして、ぱっと開くのだがそこにいつものあの下らない世界が広がっていて、額から汗を流しながら何とか最初の頁へ辿りつき、どうしてこんなものを多量に書いたのかと訝り、久米を呪いながら、ひたすら話の筋だけ追って、早く終れ、早く終れと念じつつ、とりあえず筋だけ追ったと見てたちまち、汚らわしいものでもあるかのように(実際古書で汚いのだが)、放り出したりもした。そんなありさまだから、私は何度も、久米伝を断念しようと思った。(略)だが、やめたらそれまでの努力が無駄になると思って、続けた。

お疲れ様でした。

久米正雄伝―微苦笑の人

久米正雄伝―微苦笑の人

*1:わしのブログもちょっこし役に立っておるはずなので。なお、謝辞が述べられているのは、細江光氏、中戸川吉二の研究家盛(小谷)厚三氏(ブログ「「北方人」日記」)、「直木賞のすべて」主宰のPLBこと川口則弘氏、ジャーナリスト小笠原淳氏、岩本努氏、専修大学大学院の山田昭子さん、編集担当の山本啓子さん。