神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

ワキヤ書房の脇清吉


古本年鑑』には載っていないが、松ヶ崎の京都高等工藝学校(現在の京都工芸繊維大学)前にワキヤ書房という古本屋があった。店主は脇清吉といって、武林無想庵について回想文*1を書いている。

京都の松ケ崎に京都工芸学校があって、校門前で、なまえばかりの古本屋をしていましたが、昭和十一年かと思うのですが、お医者さんあり、新聞記者、私といった古本屋もまじった二十数人がいゝあわして「知恵を盗む会」という、いまでいえば、アイデア研究会とでも名づけたいところでしょうが、(略)毎月一回ぐらいは、智恵が盗れそうな、著名人というよりも、つむじのまがったひとたちをひっぱりだして集ってたのしんでいました。
なかまのある芸能関係の人から、武林無想庵比叡山にきているから話しを聞こうじゃないか、といわれ、私が世話がかりをしていたものですから、おっかなびっくり延暦寺の宿坊に武林さんをたずねてゆきました。


脇清吉(1902-1966)については、『碑−脇清吉の人と生活』(脇清吉の碑をつくる会、1967年)に詳しいらしいが、未見。ほす〜ぃだす。ん、ググったら、なぜか誰ぞのmemoに出てくる。

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高月靖『南極1号伝説』が来月4日文春文庫から刊行。解説は猫猫先生(だったら面白いが・・・)。
『本の話』8月号の著者インタビューによると、「現在はロリコンの青年たちの日常生活を取材中で、九月には出版される予定です(パジリコ刊)」。

*1:「庶民のひとりになれそうだった頃」『武林無想庵追悼録 むさうあん物語別冊』。