神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

奇人山田一郎による偽作『鎌倉旅行日記』


山田一郎による偽作については、高島俊男『天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代 』(文春新書)に詳しいが、犬養毅講述『木堂談叢』(博文堂、大正11年10月)所収の「偽書と仮説の人物」にも出てきた。

『読売新聞』と覚えて居るが、曾呂利新左衛門の『鎌倉旅行日記』と題するものが載せられた。日記で見ると、豊太閤の命を帯びて、正宗の遺跡を調べたが、彼が手づから刀剣を鍛へたのでないことが考証せられたとの記事であつた。今村翁は之を見ると早速吾輩の処に持参せられて、欣然として之を示されたが、読んで見ると全く現代の文章で、太閤時代のものでないから今村翁にその事を説明したが、果して偽書で、奇人山田一郎氏の筆に成つた事をその後に親しく氏より聞て大笑したことがある。

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国会図書館に続いて、都立図書館も職員録の閲覧中止。→「http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr081126tk.htm

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ほげほげしてたら、講談社から安藤礼二光の曼陀羅 日本文学論』が出てた。読み応えがありそう。同じく同社から鳥越碧花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記』も出てた。猫猫先生の谷崎本も参考文献に挙がっていた。小説は読まないことにしてるので、猫猫先生が読んでくれるのを待っていよう。